英会話教室などの広告を見ていると、よく見かけるのはネイティブ講師との「フリーディスカッション」。
特にトピックやテーマを決めず、また教材等も用いずに、自由に話の流れのままに会話をすると言うものです。
勉強っぽくない点や、ディスカッション内容を自身で設定できる高い自由度が利点です。
ネイティブの先生から「日常を表す自然な英語を学べる」と言うことで、まるでホームステイしたような感覚で英会話をすることができます。
マンツーマンレッスンなど、プライベートレッスンでこの方式がよく用いられているようです。
英語の学習としては「?」
しかし、英語学習の進展と言う意味ではどうでしょうか?
私は否定的です。
特に、上記に挙げたプライベートレッスン等では、普通のレッスンより高い費用を払っておられますが、その費用ほどの効果は得られないでしょう。
私は、英会話についても懐疑的ですが、それと同じくらい効果について疑いを持っています。
(関連:「英会話」では英語は使えるようにならない)
理由1 ボキャブラリーが限定的
日常会話ですので、ボキャブラリーが限定的となります。
考えてみれば、普段の家庭内や友人との会話において、そんなに多くの種類の言葉を使っていないと思います。
英会話はよく言われるように、中学校の教科書で習った英語でいける、とよく言います。
(関連:ゆりやんレトリィバァも英語教科書を音読)
(外部記事:「中学英語で十分」は本当だった – 日経ビジネス)
という事は、日常会話では、それらの言葉を繰り返し使っているだけで、新たな言葉を得られるチャンスは少ないといえます。
ですのでボキャブラリーの獲得はしずらいです。
理由2 楽な英語に流れる
フリーディスカッションだと、会話が自分の得意な分野にどうしても行きがちです。
自分の不得意な分野に、自ら会話を持っていく、特異な人はそう多くないでしょう。
もちろん、わざわざ全く関連もなく、難解な分野、例えば文系サラリーマンが、アマゾンの原住民の文化や、金融工学などに、会話を持っていく必要ありません。
が、使う表現は固定的となりがちで、新たな表現の獲得とはなかなか難しいです。
理由3 会話は水物
会話は、メールと異なり、言葉は見えず、どんどんと流れていってしまいます。
LINEや、チャットもどんどん流れていきますが、文字として確認できる点で会話と少し異なります。
ということで、新しい表現にであったり、疑問に思ったとしても、それは流れていってしまい、なかなか確認・獲得することは難しいです。
「その場で聞けばいいじゃないか」
と思うかもしれませんが、後からどの英単語や表現を言ってるのか指し示す事も実際は難しいです。またディスカッションの深化を「止める」デメリットも抱えています。
リスニング力を鍛える?
これについては効果はあるでしょう。しかし、費用に見合った効果があるかどうかは疑問です。
というのも、知らない単語や表現は何度聞いたって分りません。
洋楽が聴けないことや、お経は最初の「何妙法蓮華経」や「南無阿弥陀仏」のあとは、何回聞いても何を言っているのかわからないのと一緒です。
じゃあ何をすればいいかって?
とにかく、耳と口を使ったボキャブラリーを増やす練習です。
これは、英語学習の基本で、マンツーマンレッスンだろうとなんだろうと、かわりません。
その効率的な学習方法、それは英語の音読です。