寒い寒いと思っていたら、とうとうここ富山、高岡では昨日初雪が降りました。ここら辺は平地なので積りはしておりませんが、立山連峰では雪化粧しております(結構前からですが)。
NEWSWEEKのネット版に、『英語習得のコツは、実はシンプル!「簡単な本の音読」に効果あり』と言う記事が載っておりましたので、紹介させていただきます。
この記事は、アメリカの児童生徒の学力測定に基づき書かれた記事で、その中で「口頭での読みの流暢さ」と、読解力との関係を分析した記事となります。
音読が流暢だと、読解力も高い
記事によると、
児童がテキストを読み上げる音声を測定したところ、「リーディング力(読解力)と読みの流ちょうさに相関関係があること」がわかりました。
英語習得のコツは実はシンプル! 「簡単な本の音読」に効果アリ
テキストを読むスピード、読みの正確さ、感情表現を自動音声分析システムによって測定しました。その結果、リーディング力(読解力)が弱い生徒群は、読むスピードが遅く、読みミス(発音ミス、二度読み、戻り読み)が多く、感情が伴わない読み方をすることがわかりました。
英語習得のコツは実はシンプル! 「簡単な本の音読」に効果アリ
英語を読むスピードが遅い子どもは、単語を正確に発音することに集中しており、内容理解まで意識が向きません。
英語習得のコツは実はシンプル! 「簡単な本の音読」に効果アリ
「自転車に十分なスピードで乗らないと転ぶのと同様、読み手が十分なスピードで文字を認識できなければ、意味が失われてしまう。読んだ内容を思い出すことができず、ましてや読んだ内容を自分の経験や背景知識と関連付けることなどできない」
英語習得のコツは実はシンプル! 「簡単な本の音読」に効果アリ
だそうです。
(同じく記事に乗っていた音読関連の投稿:英語音読はやっぱり効果的←AERAから)
音読が読解力を上げる理屈
端的に言うと、
読解力には読む速度が必要。 ↓
なぜなら、途中で記憶は失われる。 ↓
忘れるので、理解ができない。 ↓
よって、忘れないようにする作業記憶(ワーキングメモリ)を鍛える必要がある。 ↓
その鍛える方法は音読である。 ↓
音読が読解力を上げる
と言う事だそうです。
そして、
英語力を伸ばしたければ、単語の意味や文法ルールを覚えたり、解釈の技術を学ぶ前に「英語を流ちょうに読む練習」を取り入れることが不可欠なのです。
となるそうです。
音読が良いのは確かでしょうが… .
音読が英語に役立つ、と言うのは、私も実感していますし、真実なのでしょうが、ちょっとこの論理の流れには少し疑問があります。
相関関係→因果関係ではない
原典をあたっておりませんが、「音読の速度が理解度に影響与えれている」のか、それとも「理解力が音読の早さに影響している」なのか、どちらがよく分かりません。これはよくある相関関係があることを、因果関係があると誤って解釈している可能性もあります。
読書をする子は頭が良い、ので「本をたくさん読め」、と言いますが、「そもそも頭の良い子が本を読んでいる」可能性もあるわけです。これと全く同じです。
この「音読スピードが速い→読解力が高い」のこの「→(矢印)」の方向も自分の都合の良いように解釈してしまっている可能性があるので、データの解釈には注意が必要です。
(繰り返しますが、私は英語の習得に音読は必要だと思ってます。)
短絡すぎるし、複雑
もっと言えるのが、あまりに単純化しすぎているのではないかと言うことです。仮に、音読も早さが読解力の速さにつながる、と言う因果関係があったとしても、どうして英語ができるようになるのか、よく解りません。
アメリカで、「(母国語である英語の)音読を早くできる子は読解力が高い」から、日本人が音読をすることで英語が習得できる、という点です。
英語に音読が有効な理由は多義
私が音読を推す理由は、英語を習得するには「(英語の)知識を増やして、練習をいかに重ねるか」と考えていますので、その手段として音読が最適なのではないか、と言うことです。
英語を習得するには、とにかく練習する、表現を覚える、などしなければいけません。
音読は、
- 本があればできる
- 1人でできる
- 何度も簡易に練習ができる
と言うような利点があるからです。
もちろん、このような記事で音読の有用性が広まってくれれば嬉しいですが、データの恣意的な解釈でご都合主義だと思われるのはマイナスだと思います。
ダイエット等、他の色々なもの後にも通じると思いますが、英語には「これさえやっておけばいい」と言うものはありません。甘い言葉には要注意です。