週刊女性と言う雑誌のウェブサイトに、大学受験に使える英語の外部試験についての記事が載っていました。
かねてから、私は進学に有利にするために取るべき資格は英検だ、と申し上げてきました。他のあらゆる資格、例えば数検や漢検などと比較しても、英検一択だと言ってきました。
(参照:学生の資格は英検一択?)
その理由は単純で、英語のみ、そのプロセスが実生活で直接役に立つから。他の試験は「資格の為の資格」で、その後は役に立たないので。
しかし、進学に役立つ英語の資格は経験だけではないことを今回初めて知りました。
TOEIC優遇の大学は結構ある
この記事によると、
大学入試では英検とTOEICの両方を活用している学校が多い。ただし旺文社の調査では、受験生が利用する英語民間試験のうち、英検は利用率92.2%とほかを圧倒しています。
週刊女性 大学受験に英検・TOEICなど「英語民間試験」の活用拡大で広がる“教育格差”
ということで、学業を学びに行く大学において、TOEICと言う「ビジネス」を目的とした資格が採用されていることに所々驚きました。
ではどの程度採用されているかと調べてみたところ、かなり多くの国公立、私立大学で活用できるようです。
(参照:TOEIC® Program 大学の入学試験における活用状況-2020年度-)
TOEICはビジネス目的
皆さんTOEICと言えば、仕事目的でサラリーマンが受けるもの、と言うイメージはないでしょうか?
そもそもビジネス目的で作られました。学術目的ではありません。
ビジネスで英語を使う能力を測るものです。
問題を見ても、ビジネスシーンを想定した問題が多く、語いの幅は限られます。また非常に時間に比して問題数が多く「いかに早く解くか」と言う情報処理の側面が多いことも特徴の試験です。
高校生がビジネス英語を?
このような英語を高校生がやるべきかな?とわたしは強い違和感を覚えました。
もちろんTOEICにもメリットはあります。
しかし曲がりなりにも学問を学びに大学へ行くのに、その後の就職を見越したビジネス英語をやるのか、と。
これは、経営、商学系の学部ならばわからなくもありません。
しかし上記のリストを見ると、理系も含めて優遇されています。
先ほども述べたように、TOEICではビジネス英語が出題され、理系に必要な英語は求めらないので、学問に必要な語彙が広がりません。
大学入学後は英語で書かれた論文を読んだり、論文を書いたり、留学をしたりと言うことが、想定したり、期待されたりするわけですが、そういったことにはなかなか役に立ちません。
大学入学後は約2年間一般教養と呼ばれる、専門分野でないことを勉強します。そういったことを考えると、どの学部に入学しようと、ビジネス以外の英語は求められてしかるべき、なのではないでしょうか。
こうやって考えてみると、やはり大学が、ビジネス英語がメインであるTOEICを推奨するような施策をとることには「?」がつきます。
という事で、学生諸君は英検等のビジネス目的とでは無い英語の学習を進めるべきでしょう。
自分の将来の選択肢を広げておくためにも。
最後に、
現実的に考えると、
「ゆくゆくは就職するのでTOEICの勉強をした方が良いのではないか?」と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、
英検→TOEIC
は順応できますが
TOEIC→英検
は難しいです。
というのも英語に一番重要な語いは、英検の学習で学べますが、TOEICは限定的です。
ということで、TOEICは英語ができれば対応可能なので、こういった優遇処置に惑わされてはいけませぬ。