少し前ですが、文部科学省から、「全国学力・学習状況調査」の結果が発表されました。
これは英語教育実施状況調査と並んで、都道府県の教育の状況がよくわかり、また、個人の教育に対する考え方にも十分に示唆に富むものです。2つの調査ともに、英語力を調査しています。その2つの調査を比較することで、英語とそれ以外の科目の結果に、興味深いことが見えてきました。
(関連ブログはこちら:英語教育調査←文科省 どの自治体、取り組みが良いのか?)
学力調査の結果
富山県
我が富山県の結果は、
国語 5位
英語 10位
数学 4位
総合 5位
と言う結果でした。非常に優秀な成績だと思います。
ちなみに隣の石川県は
国語2位、英語3位、数学1位、総合も1位。
福井県は
国語2位、英語5位、数学2位、総合3位。
と言うもっと素晴らしい結果でした。
相関関係
各科目の相関関係を見てみると
英語と国語0.42
国語と数学0.57
数学と英語0.85
と言うものでした。できる県は、全科目出来て、特に数学ができる子は英語もできるといえますね。
学習時間との比較
2時間以上学校以外で毎日勉強している生徒の多さと、英語の成績の良さの相関は0.39。
数学は0.32、国語は0.15となりました。
学習時間との相関関係もありそうです。
英語調査と比較
英語について英語学習実施状況調査と比較してみると、英検3級(CEFRのA1)以上取得している生徒の多さと、今回の英語の成績の高さの相関は、0.45。英語ができる生徒は、学校の英語の成績も良いと言える結果だと思います。
不都合な事実
さて、ここで避けて通れないのは格差の問題です。
英語実施状況調査の時も比べましたが、教育への支出額との比較です。
今回も比較すると、
英語成績と教育支出の相関は0.53、数学は0.42、国語は0.09と言う結果が出ました。
学習時間との相関も、
英語は0.39、数学は0.32、国語は 0.15
となり、穏やかな相関があります。
ここから導き出される事は、
教育への支出が、塾への支出にとほぼ同じと考えると、塾に行っている生徒ほど成績が良いと言うことです。国語との相関が低い傾向がありますが、塾と言えば「数学」と「英語」に行くことが多いことを考えると、この仮説を補強してくれると思います。また、学習時間の長さと、教育支出の多さに相関があることから、塾へ行く男子ほど勉強時間が増える(塾で学習する)ことになり、塾へ生かせる家庭は、成績が良いと言うことになります。
その他雑感
英語は東京都が1位
英語力で突如東京は1位に。人数も多いだろうにすごい
英語力以外でも北陸3県はすごい
北陸3県は、何故か知らないけど、素晴らしい成績です。しかしこの三県の県自体は、特にすごくないことから、私たちはこれら優秀な人材を生かせていない、と言う現実があるのではないか。
沖縄はどげんかせんといかん
沖縄、国語、47点英語41点数学47位で総合47位。格差が固定されているように見え、これどうにかしなければいけないと思う。
教育手術は全国38位、2時間以上学習する生とは全国25位。取り立てて低いわけではく、言うは易く行うは難し。
しかし、教育支出と成績との相関が高い事から、沖縄県では、教育のバウチャー等をやり、少しでも成績の改善を目指すべきではないかと強く思いました。