マレーシアで英語に関して感じたこと

既にご存知の方も多いかと思いますが、3月28日から4月1日にかけて、当スクールで初めてとなる「海外英語研修」でマレーシアへ行ってきました。

みんな久しぶりのもしくは、はじめての海外で、このコロナ禍で抑圧された3年間の憂さ晴らしができました!

私自身は3,4回マレーシアには来たことがありますが、ほとんど何も覚えておらず、非常にフレッシュな気分で本研修を迎えました。

このマレーシア滞在中に、感じた様々なことをブログにしたいと思います。

英語研修でマレーシアへ!

英語研修でなぜマレーシア

英語研修と言えば、アメリカやイギリス、カナダ、オーストラリアなど英語が公用語であるアングロサクソン諸国が占めていました。

では、なぜマレーシア?

しかし5泊6日と言う海外へ行くには短い日程を鑑み、遠方の国への渡航は、その日程の中で移動が多くを占めるため、上記の国々は選択肢から外し、アジアに絞りました。

東南アジアの国々では、英語がいわゆる公用語と言う国は多く、フィリピン、シンガポールは有名ですが、それ以外にもマレーシア、ブルネイ、なども挙げられます(旧イギリスの植民地)。

その中で、フィリピンとマレーシアを比較しは、私の個人的な好みのほか、英語を使うということ以外の多様な経験ができる、費用、治安の面からマレーシアを選択しました。

英語習得の逆境は何とかなる(する)

さて、ここからが本題です。現在英語を学んでいる方々は、英語学習を阻害する様々なものに悩まされていると思います。

  • 社会人の方なら、仕事が忙しい、子育てで忙しい。
  • 学生なら、宿題が多い、部活が忙しい、等々。

さて、華人系マレーシアにここで目を向けたいと思います。

マレーシアは多民族国家で、マレー系が7割、中華系3割弱、残りをインド系が占めています。

制度化された差別

国民の大半がマレー系が占めるのですが、経済を握っているのは、主に中華系です。

少々古いデータですが、マレーシアでは中華系が80%(!)の資本を所有しているとのことです。(ちなみに中華系が経済を占めると言うのは、どの東南アジア諸国でも広く見られる状況だと思います。)

さて、この状況を打開するため、マレーシアではマレー人、優遇措置である「ブミプトラ(土地の子)政策」が1971年から取り入れられています。内容としては、

事業におけるブミプトラ資本の30%出資義務、人種比率を反映した雇用比率や大学入学者比率の維持、公務員制度におけるブミプトラの積極登用等、経済・雇用・教育を含め多くの面においてブミプトラ優遇策がとられた。

「東南アジア地域にみる厚生労働施策の概要と最近の動向」より

2014年の日経新聞によると、マレー系のある屋台村の家賃は約900円(当時のレートで計算)しかし、中華系の屋台村の家賃は24,000円とその差は25倍(!)になることもありました。日本経済新聞2014年1月26日:マレー系優遇 華人と亀裂より

優遇されてる方が良いですが、冷遇されてる方(中華系など)にはたまったものではありません。これは制度化された差別政策です。

差別を跳ね返す

この政策は1971年から導入されていますが、中華系のマレーシア人は、必死で勉強し、オーストラリア、イギリス、シンガポールなどに留学し、また必死で働き、いまだにそのパワーを維持しています。

この二級市民扱いに比べたら、あなた方の大変さなど及ばないでしょう。今ある逆境など、頭を使って乗り越えるべきです。(言うは易く行うは難し、ではありますが)

嘆いている暇があったら、本を開き音読をしましょう。

人口は力

最終日に訪れた高校、Catholic High school, Petaling Jayaでは、約3000人の学生が在籍しています。そのクラブ勧誘活動の日に訪れたのですが、その盛況ぶりと言ったら!

また、クラブ数も多くあり、なんと日本語を習う日本語クラブまでありました。

この様に人数が多いと、様々な活動ができ、また活気を帯びて来ます。

マイナーな趣味・興味を持つ人と出会い、新たな魅力に気づくこともできるし、また嫌な人がいても、他にいい人見つけられる可能性が高くなります。

数は力です。

小さくこじんまりして良い、などと言うのは、子供の将来の幅を狭めることだと思います。野球やサッカーなど、多くの人数を必要とするスポーツは、小さな学校でできません。

今の富山県のように、小学校や中学校を小さい単位のまま散財させておくよりも、1つに統合し、1単位あたりの人数を増やすべきではないでしょうか。

英語の発音はとりあえず無視

マレーシアだけでなく、シンガポール、フィリピンなど英語が母国語ではないにも関わらず英語に堪能な国に行って思うのは、発音は全くネイティブ発音ではない、と言う事です。

彼らの発音はネイティブのそれとは程遠いです。正直、日本人にはたまに聞き取りにくい。しかし、彼らはしっかりとルールに則った語順、発音、用法で話してくるので、英語を話す者同士は、ちゃんとコミニケーションが取れるのです。

マレーシア人は、ネイティブの発音にこだわる日本人より、はるかに上手に話せて、世界的な英語力ランキングにおいても、日本は80位で5段階で下から2番目の「低い」のところに、マレーシアは24位で「高い」にランキングされています。

日本人が英語を学ぶ上で大切な事は、完璧な発音を目指すよりも、流暢かつ語彙力豊富に話すことなのです。

英語学習の目標設定を間違ってはいけません。あなたの目標はハリウッド映画の登場人物ではないのです。

ネイティブ講師など必要ない?

先にも書きましたが、現地の高校を訪れましたそこの日本語に興味のある生徒と交流会に、驚くほど流ちょうにしゃべる生徒がいました。

専門的に日本語の教育を受けたことはなく、日本人と話したことは、日本に旅行した時だけ。 普段は、日本に留学経験のあるマレーシア人日本語教師とクラブや選択科目などで日本語を猛練習しているのです。

このケースでは、ネイティブ講師の存在や、ネイティブの先生による授業とスピーキング力の高さに相関関係はない、ということ。

上の「英語の発音はとりあえず無視」でも書きましたが、発音もネイティブ並みの発音は世の中で求められていません。

ということは、ネイティブの先生に教えてもらう必要はないのです。ネイティブ信仰は捨て、何人(なにじん)であろうと、良い指導者と英語の練習をしていけばいいのです。

英語教育の成果は本当か福井県←日経

上記の記事では、ネイティブ英語講師の存在が、英語力の向上に役立ったと書いておりますが、データを分析してみても、実感からも、この考えは微妙だと思います。